2013年見聴きしたK-POP

2013年に見聴きしたK-POPのまとめ。今年はいい曲が少ないとかなんとか言いながらも定期的にチェックはして、気に入ってよく繰り返し見聴きした曲も多かった。チェックできなかったものやスルーしているものもたくさんあるのでそのあたりは、他の方がまとめた2013ベストや2013まとめで拾っていきたい。

少女時代「I Got A Boy」について

1月1日に少女時代が新曲「I Got A Boy」で韓国歌謡舞台にカムバックした。今回の曲は、個人的にとても気に入って、パフォーマンスも楽しめたので、この曲の事をブログに書こうと思った。
前曲「The Boys」から空いた1年3か月というブランクは、それほど長い期間とは思わない。それに、2012年は春に、ユニット“テティソ”でテヨン、ティファニー、ソヒョンの3人は本国での活動を行っていたし、9人組少女時代としても、日本で3枚のシングルと日本では2ndとなるフルアルバムをリリースして、実質、空白期間はほとんどなかったはず。にもかかわらず、今回の活動に限って、ステージ動画をまとめたり、何か書こうと思ったりしたのは、今回の曲がひさしぶりにメンバーひとりひとりにわかりやすい見せ場が用意されていたからかもしれない。
いまさらながら、少女時代は9人組という大人数グループだが、デビュー時からメンバーは不動で、いまや誰ひとりとして欠かせない9人の個性が確立した希有な存在になった。「Gee」がヒットしている頃には、すでに9人のメンバーの個性がきわだち、海外ファンにはウータン・クランと比較された(参考1参考2)。もとより、日本語ラップでは「証言」や「Nitro Microphone Underground」、近年だと「前人未踏」のような、“全員集合”マイクリレー曲がわかりやすく好きで、リピートして聴きがちだったけど、そのし好に、「I Got A Boy」がたまたまピタリと当てはまってしまったようだ。
YouTubeで2/5現在視聴可能な「I Got A Boy」のパフォーマンス動画再生リストを作った。
http://www.youtube.com/playlist?list=PLfclUT6XY89wJhXh7Sv6Q3_YUZm9Z60bO
このエントリで、サンプルとしてピックアップするのは1/4、Music Bankでのパフォーマンス。「I Got A Boy」活動の衣装コンセプトはアメカジ古着? この日はショート丈のアーミーシャツ。1曲目は先行曲「Dancing Queen」。「I Got A Boy」は3分35秒から。約4分30秒の楽曲のなかで、前に出るメンバーがめまぐるしく入れかわる様はまさにHIPHOPのマイクリレーのよう。
なお、他の動画では2/1放送のMTV特番パフォーマンス(赤ジャージで客なしのスタジオ撮りで、カメラ台数多くてカットはげしい)、2/1放送のMusic Bankでのパフォーマンス(メンバーも客も慣れてきてパフォーマンスに余裕が出て面白い、テヨンとヒョヨンの衣装がおそろいでかわいい)がオススメ。


3:36 スヨン「エイヨーGG!」を合図にイントロダクションとなるパートがスタート。

4:30 メンバーが短いフレーズを歌いつなぐイントロで、ひとり長めで印象的なパートをソヒョンが歌う。

5:10 ティパニのかけ声でかぶっていたキャップをいっせいに客席へ。メインコーラスパートへ入り、ユニゾンダンス。

5:32 メインコーラスにおおいかぶさるようにテヨンがソロフレーズを歌いあげる。つづいてサニーも同様に。このパートのメンバーのなかをナナメ方向に前進するフォーメーション、集団行動を彷彿した。


5:47 ユナとヒョヨンのラップパート。9人が5:4にわかれて、バトルのようなフォーメーション。ラップとはいえユナにこれだけ目立つボーカルパートがあるのは珍しい気がする。ヒョヨンのハスキーな声は曲全体のなかでも絶妙なフックになっていると思う。

6:01 次のパートにつなげるためのコーラスとユニゾンダンス。ほほに両手をあてる愛嬌ダンスではユリがセンター。歌唱少なくしてこの存在感。

6:14 9人が横一列に並んでかわいらしいジェスチャーダンスをするパート。両端のソヒョンとティパニがボーカルをとる。テティソの活動をへてか、特にソヒョンが前に出るパートが増えてる。

6:28 また次のパートへ向かう、激しいユニゾンダンス。

6:44 一瞬音が途ぎれてテンポダウン。「レディマーマレイド」〜「テティソ」のテティコンビがレトロポップな歌いあげパートでソロをとる。そろそろテティソ推しがくどくなってきたところで…。

7:08 シカ様キター! メインコーラスパートでセンターをとって、曲はようやく最後のパートへ。

7:38 メインコーラス+テヨンとサニーのパート再びから、キメのフォーメーションでいつの間にかセンターはユナ。
一方で、昨年の日本活動曲でアルバムのリード曲でもあった「Flower Power」は、楽曲自体はどちらかといえば好きな曲だが、パフォーマンスはサニーがやけに目につくばかりで、メンバー個々の魅力を伝えるものではなかった。
少女時代の現在の立ち位置と「I Got A Boy」についての評はこのコラムになるほど、と思うところがあった。
Kstyle【コラム】少女時代「I GOT A BOY」の問題は複雑な構成ではない
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=1960228
それから「I Got A Boy」の楽曲構成と分析についてはこちらのブログの2/3のエントリが強力でした。Twitterでこちらのブログを知ったけど、過去エントリ掘り返したい。
ecstasy1018のブログ: K-POP時評 201301
http://ecstasy1018.blog.fc2.com/blog-entry-17.html

2013/1/31(木) Fanfare Roma'n-Garde 『組曲「六道」をやる。〜六道輪廻を演奏する〜』 at 中崎町COMMON CAFE

「六道輪廻」をテーマに作曲された40分にわたる組曲「六道」コンサート。
第一部は、短めの曲を数曲。東欧の3国・3都市をイメージして作られたオリジナル曲(15分)の途中、田島隆氏の巨大タンバリン(?)パフォーマンスがハデでうけた。演奏する曲によってメンバーが入れ替わりながら。
第二部は組曲「六道」。六道=天道、人間道、修羅道畜生道、餓鬼道、地獄道をイメージしたパートを、ちょっと間の抜けたインタールード(?)(メンバーがユーモラスに上下する)でつなぐ構成。激しいドラムのリフレインから、打楽器の嵐に突入するパートがもう、即座にAmon Duul 2「神の鞭」を彷彿して、興奮した。田島氏が後半使っていた金属製の長細い巨大ピンセットみたいな楽器、初めて見た。
東欧やジプシーの音楽がルーツではあるものの、オリジナル曲中心のジャズバンド。かっこよかった、また観たい。
メンバー:瀬戸信行 clarinet、登敬三 tenor sax、照喜名俊典 euphonium、イガキアキコ violin、藤沢祥衣 accordion、熊坂義人 contrabass、田島隆 guitar, tambulin、ワタンベ drums、池田安友子 percussion、永田充 darbuka, davul

2013/1/27(日) 江崎將史、半野田拓、小島剛 at 堀江Futuro

第一部。江崎トランペットソロ、小島バンジョーソロ、半野田ギターソロ、3人セッション。
第二部。小島+半野田デュオ、小島+江崎デュオ、江崎+半野田デュオ、3人セッション。
江崎さんの面白さが際だった。トランペットを解体しながらのガサゴソ、スカスカ演奏はいつもどおりで、廃材(鉄板?)の摩擦音はやや耳ざわりだったけど、第二部のトランペットの抑制のきいた持続音、とうとつに取り出したボールペン演奏、そして声(オとウだったかな)。おふざけ/真面目の真ん中をいく感じ、今回は共演者二人は江崎さんに引っぱられていた印象。半野田さんは江崎さんの声に反応して、苦笑いをうかべて奇声を発した。
小島さんの演奏は、バンジョーのパーツをはずして具体音を出したり、ボディをたたいてパーカッションにしていたけど、聴き手としては通常通り弦楽器としての演奏がやはり楽しめた。江崎さんとのデュオは、トランペットも管楽器としての音色で奏でられて、シンプルでよかった。
半野田さんのギターはやっぱり面白い。ぶっきらぼうではあるものの、聴いていてハッとさせられる音色、メロディが頻繁にあらわれた(弦を摩擦しながらの演奏、など)。

2013/1/26(土)「円盤のレコード寄席 万国博覧会のレコード(再)」田口史人(円盤) at 蒼月書房

円盤・田口さんによるトークイベント「レコード寄席」の大阪出張版。1970年の大阪万博を中心に、その他万博関連のレコードを紹介。同じテーマで以前にも行われたとのことだけど、参加は初めてでした。
開演15分前に会場に着くと、集まっているレコードマニアでなく、万博マニアの熱気に驚いた。イベントは20時〜22時半までの2時間半。「ポートピア」は博覧会そのものを知らなかった。神戸ポートアイランド博覧会(1981)。「ポートピア」といえば、ゲームのイメージしかなかった…。最後にはお客さんに嬉しいおみやげもあり。とても面白かった。
印象的だったレコード… 冨田勲の、石川晶、ミッキー吉野六文銭、チャーリーコーセイらが参加した大作シングル。壮大な音楽の洪水ですごかった。松村禎三作曲の、市販されたパビリオンレコードは、銅鑼が間抜けで、マグマみたいなコーラスのリフレインが壮大な音楽。海洋博関連は面白いものが多かった。魚に聴かせる「魚よせのうた」、最初は電子音ぽかったが、徐々に普通の音楽に(人間にも聴きやすいようにしてあるとか)。稲田保雄(日本プログレカルト中のカルト、とのこと)演奏の、海洋博マスコット「イルカのオキちゃん」イメージソング。なんと3月に再発されるらしい。海洋博がうれしくて勝手に歌ってレコードを作ったおじさん、沖縄民謡をこえてヨーデルのような歌唱。

2013/1/21(月) 渋谷毅 〜両手に花〜 小川美潮、金子マリ at 梅田ロイヤルホース

渋谷さんのピアノソロは、初めて観たKDハポンでの演奏の印象が強い。暗くて、静かで、少し寒かった場所で聴いたその時の感覚をいつも思い出したくて渋谷さんのライブに年1回は通っている。
一部、二部とも、最初の4、5曲は渋谷さんソロ。いくつかは「Famous Melodies」「Famous Composers」収録曲。渋谷さんの演奏で好きになった「ダニーボーイ」も聴けてうれしかった。
今回は、小川美潮金子マリ両氏をボーカルにむかえて、「両手に花」と題された公演。一部に登場した小川美潮を観るのは初めて。最近YouTubeはにわオールスターズの83年のライブ映像を見たばかりだったこともあって、おお、30年後、と思った。チャーミングで、飄飄としている歌、素敵だった。
金子マリは観たことがあるかもしれないけど、記憶があいまい。しゃがれた声で歌われるジャズ/ブルースはすごい貫録。最後に数曲、小川美潮とデュエット。渋谷さんを放置して延々しゃべり続ける二人が面白かった。金子さんが初めて大阪を訪れたのは、18歳のとき。村八分を目当てにバイクに乗って来た、という話にうけた。

FOR EARS 2012 BEST - ALBUM


2012年によく聴いたお気に入りアルバムを選びました。今年もタワーレコードの試聴機から買った作品が多め。30代も半ばにさしかかってようやくR&Bの新譜をチェックして聴くようになりました。あれこれ聴いてみて、自分が特にひかれるタイプが「ネオソウル」と呼ばれていることを知りました。そういう系が多いです。それからルーツ系ジャンル、特にブルーグラスワールドミュージック、ジャズの試聴機はそれぞれ月2回はチェックしてました。2012年はJosephine Foster、Larkin Grimm、Magma、Mio Fouと、強くファン意識を持っているアーティストの新作も発売されましたが、新鮮味を感じられず、自分の中ではベスト、という位置づけにはなりませんでした。

Betty Wright & The Roots / The Movie
♪Old Songs http://www.youtube.com/watch?v=Ow-uXO38IM4
素晴らしいアルバム。

The Floacist / Floetry Re:Birth
♪Start Again http://www.youtube.com/watch?v=SqDV8fi7wXE
フロエトリーは未聴です、すみません。↑のアルバム1曲目はかなりしっとりしてますが、アルバムは全体的にソフトロックみたいに洗練されたサウンドが素晴らしいです。

Angie Stone / Rich Girl
♪Backup Plan http://www.youtube.com/watch?v=L4Xqs95wlSs
今作で初めて知ったんですが、過去作もさかのぼって聴いて、今作が突出しているわけではない、と確認。安定感がすごい。

Monet / Lifesize Mirror
♪Hold Me Sweetly http://www.youtube.com/watch?v=0AJMuIXwqM8
♪Vain http://www.youtube.com/watch?v=BeG94Vu0Eyk
アルバム中↑この2曲が特に素晴らしい。フルート奏者でもある。

Sy Smith / Fast And Curious
♪Nights (Feel Like Getting Down) http://www.youtube.com/watch?v=tzh8wT77ufo
アルバム1曲目が好きなんですがYouTubeになかったので↑は5曲目のリード曲を。Rah Bandのカバーもいい感じ。

Cool Million / Cool Million III
♪It's Your Life http://www.youtube.com/watch?v=yhEu335Udgc
アルバムまるごとノリノリすぎてやばい。

Bibi Tanga & The Selenites / 40° Of Sunshine
♪Poet of the Soul http://www.youtube.com/watch?v=JTPSTEED_JY
フランスのR&B/ファンク/アフロビート・バンド。あまり似たグループが思い浮かばない折衷サウンド

Uku Kuut / Santa Monica
♪Affinity http://www.lastfm.jp/music/Uku+Kuut/_/Affinity
2006年リリースとのことですが日本のあちこちのショップに入って来たのは2012年では。Uku Kuutは2012年なんじゃこりゃ大賞。

Arlt / feu la figure
♪死んだ犬(シャン・モール) ミ・アモール http://www.youtube.com/watch?v=t7e6jsaF__0
2011年来日していたそうで、知るのが遅かった。↑の曲は後半のギターがかっこいい。しびれた。

Brian Culbertson / Dreams
♪No Limits feat. Stokley Williams http://www.youtube.com/watch?v=dc1YMlcvqkM
♪Your Smile http://www.youtube.com/watch?v=vjfWSruy0LY
2012年変なショックを受けたで賞。スムースジャズのピアニストの2012年作。リズムパートはタイトでかっこいいのに肝心のピアノが奏でるメロのだささにびっくりして、驚きの余勢で愛聴した。ただボーカル入りの2曲目「No Limits」あたりは冗談ぬきで名曲。

Spiro / Kaleidophonica
♪Yellow Noise http://www.youtube.com/watch?v=PHeVVllQmV4
マンドリンほかアコースティックスイングな編成で、ライヒのDifferent Trainみたいなミニマルを演奏。珍しい&かっこいい。

Carolina Chocolate Drops / Leaving Eden
Ruby, Are You Mad at Your Man? http://www.youtube.com/watch?v=YCM6fkZAkTs
グラミーで賞をとった前作はスルーしてしまいましたが、それに続く今作でひっかかった。

The Lost Brothers / The Passing of the Night
♪Blue Moon in September http://www.youtube.com/watch?v=O1dvFQ6G548
試聴したときから、地味、で切り捨てられない何かを感じて。

5lack / 情
Link http://ameblo.jp/slack56/entry-11307708715.html (公開終了)
♪森の中へ http://www.youtube.com/watch?v=HVC-Siz1M4o
日本語ラップは話題作中心にそこそこ聴いたけど、繰り返し聴いていたのはフリーDL配信されたこれ。

Miryo / Miryo aka Johoney
♪사랑해 사랑해 Feat. Sunny http://www.youtube.com/watch?v=kWjRB9SmMss
♪Party Rock Feat. Gali, THE KOXX http://www.youtube.com/watch?v=udcSkbmS6rM
Brown Eyed Girlsのラッパーのソロアルバム(5曲入)。K-POPできっちりアルバム聴きしたのはこれくらい。少女時代サニー参加曲、The Koxx参加曲、もう1曲ブアガル・ナルシャ参加曲はほんとによく聴いた。

나미 / 나미 골든 히트, Vol. 1
♪미운 정 고운 정 http://www.youtube.com/watch?v=smGLQH62m3g

나미 / 나미 골든 히트, Vol. 2
♪빙글빙글 http://www.youtube.com/watch?v=s-nZP5Hj2tc
70年代〜80年代活躍した韓国の歌手・ナミのベストアルバム。ソウルで購入。骨太ファンクでありつつ、人懐こいとぼけたサウンド、曲・音ともにクオリティがいちいち高くてびっくり。2枚ともよく聴きました。