2013/1/21(月) 渋谷毅 〜両手に花〜 小川美潮、金子マリ at 梅田ロイヤルホース

渋谷さんのピアノソロは、初めて観たKDハポンでの演奏の印象が強い。暗くて、静かで、少し寒かった場所で聴いたその時の感覚をいつも思い出したくて渋谷さんのライブに年1回は通っている。
一部、二部とも、最初の4、5曲は渋谷さんソロ。いくつかは「Famous Melodies」「Famous Composers」収録曲。渋谷さんの演奏で好きになった「ダニーボーイ」も聴けてうれしかった。
今回は、小川美潮金子マリ両氏をボーカルにむかえて、「両手に花」と題された公演。一部に登場した小川美潮を観るのは初めて。最近YouTubeはにわオールスターズの83年のライブ映像を見たばかりだったこともあって、おお、30年後、と思った。チャーミングで、飄飄としている歌、素敵だった。
金子マリは観たことがあるかもしれないけど、記憶があいまい。しゃがれた声で歌われるジャズ/ブルースはすごい貫録。最後に数曲、小川美潮とデュエット。渋谷さんを放置して延々しゃべり続ける二人が面白かった。金子さんが初めて大阪を訪れたのは、18歳のとき。村八分を目当てにバイクに乗って来た、という話にうけた。

2013/1/26(土)「円盤のレコード寄席 万国博覧会のレコード(再)」田口史人(円盤) at 蒼月書房

円盤・田口さんによるトークイベント「レコード寄席」の大阪出張版。1970年の大阪万博を中心に、その他万博関連のレコードを紹介。同じテーマで以前にも行われたとのことだけど、参加は初めてでした。
開演15分前に会場に着くと、集まっているレコードマニアでなく、万博マニアの熱気に驚いた。イベントは20時〜22時半までの2時間半。「ポートピア」は博覧会そのものを知らなかった。神戸ポートアイランド博覧会(1981)。「ポートピア」といえば、ゲームのイメージしかなかった…。最後にはお客さんに嬉しいおみやげもあり。とても面白かった。
印象的だったレコード… 冨田勲の、石川晶、ミッキー吉野六文銭、チャーリーコーセイらが参加した大作シングル。壮大な音楽の洪水ですごかった。松村禎三作曲の、市販されたパビリオンレコードは、銅鑼が間抜けで、マグマみたいなコーラスのリフレインが壮大な音楽。海洋博関連は面白いものが多かった。魚に聴かせる「魚よせのうた」、最初は電子音ぽかったが、徐々に普通の音楽に(人間にも聴きやすいようにしてあるとか)。稲田保雄(日本プログレカルト中のカルト、とのこと)演奏の、海洋博マスコット「イルカのオキちゃん」イメージソング。なんと3月に再発されるらしい。海洋博がうれしくて勝手に歌ってレコードを作ったおじさん、沖縄民謡をこえてヨーデルのような歌唱。

2013/1/27(日) 江崎將史、半野田拓、小島剛 at 堀江Futuro

第一部。江崎トランペットソロ、小島バンジョーソロ、半野田ギターソロ、3人セッション。
第二部。小島+半野田デュオ、小島+江崎デュオ、江崎+半野田デュオ、3人セッション。
江崎さんの面白さが際だった。トランペットを解体しながらのガサゴソ、スカスカ演奏はいつもどおりで、廃材(鉄板?)の摩擦音はやや耳ざわりだったけど、第二部のトランペットの抑制のきいた持続音、とうとつに取り出したボールペン演奏、そして声(オとウだったかな)。おふざけ/真面目の真ん中をいく感じ、今回は共演者二人は江崎さんに引っぱられていた印象。半野田さんは江崎さんの声に反応して、苦笑いをうかべて奇声を発した。
小島さんの演奏は、バンジョーのパーツをはずして具体音を出したり、ボディをたたいてパーカッションにしていたけど、聴き手としては通常通り弦楽器としての演奏がやはり楽しめた。江崎さんとのデュオは、トランペットも管楽器としての音色で奏でられて、シンプルでよかった。
半野田さんのギターはやっぱり面白い。ぶっきらぼうではあるものの、聴いていてハッとさせられる音色、メロディが頻繁にあらわれた(弦を摩擦しながらの演奏、など)。

2013/1/31(木) Fanfare Roma'n-Garde 『組曲「六道」をやる。〜六道輪廻を演奏する〜』 at 中崎町COMMON CAFE

「六道輪廻」をテーマに作曲された40分にわたる組曲「六道」コンサート。
第一部は、短めの曲を数曲。東欧の3国・3都市をイメージして作られたオリジナル曲(15分)の途中、田島隆氏の巨大タンバリン(?)パフォーマンスがハデでうけた。演奏する曲によってメンバーが入れ替わりながら。
第二部は組曲「六道」。六道=天道、人間道、修羅道畜生道、餓鬼道、地獄道をイメージしたパートを、ちょっと間の抜けたインタールード(?)(メンバーがユーモラスに上下する)でつなぐ構成。激しいドラムのリフレインから、打楽器の嵐に突入するパートがもう、即座にAmon Duul 2「神の鞭」を彷彿して、興奮した。田島氏が後半使っていた金属製の長細い巨大ピンセットみたいな楽器、初めて見た。
東欧やジプシーの音楽がルーツではあるものの、オリジナル曲中心のジャズバンド。かっこよかった、また観たい。
メンバー:瀬戸信行 clarinet、登敬三 tenor sax、照喜名俊典 euphonium、イガキアキコ violin、藤沢祥衣 accordion、熊坂義人 contrabass、田島隆 guitar, tambulin、ワタンベ drums、池田安友子 percussion、永田充 darbuka, davul