2010/9/21(火)
John Butcher & Eddie Prévost
中崎町COMMON CAFE

プロフィール等アーティスト情報はツアー情報ブログで
http://d.hatena.ne.jp/jazzandnow/
Nさんと飲んだときに誘われて、出演者のこともほとんど知らないまま鑑賞。広くない会場に用意されたイスはほぼ埋まっていた(とはいえ20席ほど)。エディ・プレヴォ氏の前にセッティングされた巨大なバスドラム(?)に目を奪われた。
途中で休憩をはさむ二部構成。前半は、打楽器の特に金属部分と、弓の摩擦音が中心。ジョン・ブッチャー氏は、呼吸系の音。最初テナー、途中からソプラノに持ち替えて、金属質な音響とあわさって、あまり耳ざわりのよくないドローンぽい音。
後半は、バスドラムの表面の重厚な摩擦音をベースにとって(?)、リードのソプラノがおならみたいな音を出しててちょっと笑いそうになった。中ほどで、金属系打楽器がガムラン的に盛り上がり、サックスも同調。終盤は、静的な雰囲気のなか、ソプラノのひかえめな楽器音演奏。
観ながら思っていたこと。打楽器は、即興演奏に加えて、アコースティック音響としてのアプローチもしやすい。先日観たばかりの鈴木昭男をすぐに思い出した。観ながら、即興演奏なのか、音響パフォーマンスなのか、両方の意味合いはあるのだろうけど、どちらかなと様子をうかがった。一方で、あくまで演奏に徹するサックスを観ていて再認識したことは、前衛音楽にとっての視覚効果で、当然演奏者の姿を見ながら聴くのと、音源だけを聴くのでは、感じ方がまったく変わること。ブッチャー氏のハデに伸縮する頬と、まるいおなかと、それからプレヴォ氏のバスドラにゆっくりスティック(?)をこすりつける上腕の太さを見ながら、その出音を聴いていると、辛気臭い音であっても、身体性と親しみやすさが感じ取れた。
二人の音にまったく関係を見出せなかったり、ときどき少しだけ絡みあったり、先に書いた両者の楽器の性格のちがいもあり、このデュオ演奏の意味はなんなのかなーとか、いちいち考えてみたり、という点においても、わかりやすい、べたなインプロヴィゼーションのライブで、楽しめた。