YUI「HOLIDAYS IN THE SUN」所感

HOLIDAYS IN THE SUN

HOLIDAYS IN THE SUN

(1)
アルバム「HOLIDAYS IN THE SUN」を聴いていると、つづけて日本語ラップが聴きたくなる。
何気ない日常風景や、素朴な心情を、飾らない言葉でつづった本作の詞作から、そのまま同じ形容が当てはまるSLACKのラップを欲してしまう。
それから、ストレスフルな前作と、ホリデーの解放感に包まれた本作の対比に強くストーリー性を意識してしまう。
オリジナルアルバムが、その時どきの、アーティストの心情、立ち位置、展望を反映し、作品を重ねることでストーリーが描かれる、といえばTHA BLUE HERBを思い出す。
そうした作風のアーティストを他のジャンルで知らないだけかもしれないけど。
(2)
最初に気に入ったのが7曲目「I do it」だったのだけど、直後に同曲がステレオポニーへの提供曲=“仕事”と知って、少しがっかりした。
激情や、思索などの抽象的・象徴的な表現はシングル曲に集中し、それぞれハガレンカイジ、ベネッセありきの"仕事"の側面があるのはいなめない。
僕にとってのYUIの魅力のひとつである中二的イタさが、ナチュラルに表現された曲が本作には見あたらなかったのは残念だった。

Slack/Good More

THA BLUE HERB/Motivation

ステレオポニー/I do it