2010/3/21(日)
シェシズ
梅田ムジカジャポニカ


メンバーは向井千恵、西村卓也、工藤冬里。観るのは2001年9月のミューズホール以来で、4回目。過去3度ライブを観た記憶から抱いていたシェシズ像とは、今回のライブは少しずれていた。過去にシェシズのライブを観たのは99年、00年、01年で、いずれもアルバム「瞬きの星」の延長線上で、向井さんの歌、胡弓、ピアノを核にしたシリアスな歌世界を、長尺で丹念にしぶとく紡いでいくような演奏を聴いた記憶がある。その後に観たライブも変わらず無表情な印象だった向井さんが、この日はとても柔和に感じられた。1曲1曲も短めで、カバー曲やシンプルなインストもあり、やはり記憶にあったシェシズの演奏よりもずっと軽やかだった。ライブ前に同席したNさんに「シェシズってどんなんですか」と聞かれて「えーと、幽玄な感じです笑」と、思いつくまま答えたのだけど、今回のライブの印象は本当に「幽玄」という言葉がしっくりくる内容だった。そしてかつて知るシェシズとの決定的なちがいは工藤さんの参加で、いい意味でもわるい意味でも、聴き手の陶酔を覚めさせ、歌世界をさっと壊すギター演奏だった。