2009/5/30(土)
MAGMA
アメリカ村BIG CAT

新曲(仮称Slag Tanz)
Felicite Thosz
Emehnteht-Re
アンコール
Kobaia
Wohst Klaahmeun
4年ぶりの来日公演。今回で4度目となり、バンドも客も落ち着きがでてきた気が。BIG CATでは初めてのライブで、98年の初来日公演以来の着席公演。開演40分前に会場入りし、座席を確認。e+の先行予約で買った甲斐あって前から3列目、真ん中と最高の位置。開演までビールを飲む。
今回の編成は、ボーカル3人(男、ステラ、イザベル)、ギター、ベース、キーボード、ビブラフォン、ドラムの8人。開演後、ステージ照明をバックにいならぶ8人のシルエットがたまらなくかっこよかった。
1曲目の新曲(仮称Slag Tanz)はこれ↓。マグマらしい不安感をあおるリフレインを中心に、緊張感を高めていく10分ほどの曲。これは事前にYouTubeで聴いてあんまり好きじゃないなと思っていたけど、期待値が低かったぶんかえって楽しめた。リードをとるがたいのいいボーカルHerve Akninが、両手に酒瓶をふりかざして歌ってるのかと思って噴きかけたがマラカスだった。 

2曲目も新曲で、タイトルは「Felicite Thosz」だそう。これは30分弱。前半はステラのボーカルがリードをとる、祝祭的な、明るいイメージ。長めの静かなキーボードソロをはさみ(ステージ横方向にあてていた照明がかっこよかった)、後半は(今回の公演では比較的少ない)ボーカル3人のコーラスが楽しめる、MDKにも通じるリフ構築タイプの展開。後半の展開に内心にやにや。着席しながらもわりと全身で盛り上がる。
これも映像発見。クリスチャン歌唱もあったな…記憶がはやくもあいまい。

3曲目は70年代すでに断片が演奏、音源化もされていた大作「Emehnteht-Re」。約50分。「Emehnteht-Re」は、「エメンテト・レ」と読むみたい。ステラのMCでは「エメンデット・レー」と聞こえた。
「MAGMA LIVE」のボーナストラックに収録のイントロパートから、浮遊感あるパート(KAにも出てくるフレーズかな?)へ。浮遊感をもった状態で、「HHAI」に突入する瞬間が圧巻。「HHAI」も70年代来のアレンジに忠実。「HHAI」のあと、曲はダークな色彩を帯び、「ZOMBIES」に突入。「ZOMBIES」は「UDU WUDU」のスタジオバージョンよりも高速化。ZOMBIES以降は、よりダークな雰囲気を強めて、さらに加速。バンドの演奏と、ボーカルのスリリングなポリリズム状態が、加速しながら徐々にずれを縮めていき、その交点がキター(昇天テンション)、突き抜けて双方裏返って続行(したように感じた)の様に内心「…マグマ最高」。静的なパートに移行しエンディング。
「Emehnteht-Re」は、前回の来日公演でも未完成版が演奏されたが、その際は「HHAI」も「ZOMBIES」も「Emehnteht-Re」の一部だとは気づかなかった。というか、過去に発表している断片を、ピッチやアレンジを修正してつないで演奏される聴感はこれはMAGMAのDJMIX。「HHAI」の導入部は神がかりのつなぎとしか思えない。

2006年の演奏。これはどのへんのパートやっけ?

「HHAI」のわりと最近の映像。

「ZOMBIES」
アンコール1曲目の「Kobaia」は、イントロの激しすぎるクリスチャンのドラムにうけた。

「KOBAIA」2009年の映像。
再アンコールは2度目の来日以来、最後に演奏される曲として定着しているバラード。タイトルは「Wohst Klaahmeun」とのこと。以前はクリスチャンのアカペラで歌われたと思うが、バンド、コーラスを伴った演奏。
終演まで2時間半。新曲が多く、どうしても期待してしまうMDKが聴けなかったのは正直に残念だったけど、それでも何度も事前の期待を上回る瞬間があって、やっぱマグマすげーと感動した。年の心配もしてしまうけど、ステラの「また来る」の言葉を信じ、再度の来日を実現させてほしい。